「里桜……。待っていて。すぐに救急箱を取ってくるから」 お母さんはそう言い残して、階段を駆け下りて行った。 静まり返る部屋の中に掛け時計のチクタクという音だけがやけに耳に残る。 体中がスーッと熱を失っていく感覚。 まるで、世界に自分一人だけが取り残されているみたい。 「……――宇宙君」 その時、ふと宇宙君の顔が頭に浮かんだ。 宇宙君に会いたい……。 ほんの少しでもいいから、会いたい。 ただ、そばにいてほしい。 あたしはゆっくりと立ち上がり、部屋のドアノブに手をかけた。