キミと生きた時間【完】


どうしてこんなことになっちゃったんだろう。


こんなはずじゃなかったのに……。


高校に入ったら、新しい友達をたくさんつくって


『遊んでばっかりいないで、ちゃんと勉強もしないさいね?』


って、たまにお母さんに怒られて。


学校帰りにファーストフード店やファミレスで友達と語り合って。


誰が好きとか誰と付き合ってるとか、そんな恋バナで盛り上がる。


田中君に告白される前までは、そんな毎日を送っていたはずなのに……。


それなのに、どうしてだろう……。


美奈子と一緒にいた時間、本当に楽しかったのかと聞かれると『はい』と答える自信がない……。


一緒にいる間、ほんのわずかな違和感を感じていたから。


美奈子はよく誰かの悪口を言っていた。


相手に非がない事でも、話を大きくして周りを仲間にして相手を攻め立てることも多かった。


だけど、あたしは美奈子のご機嫌を損ねたくない一心で話を合わせていた。


嫌われるのが怖かったから。


居場所を失いたくなかったから……――。