「……――っ!!」 小さな破片が指先に触れ、血が流れる。 それをぼんやりと眺めているとふとこんなことを思った。 このまま消えてしまおうか。 このまま、誰もいない場所へ。 そうすれば、もう苦しむことなんてない。 目を閉じると、お父さんとお母さんの笑顔が浮かぶ。 いつだってあたしの味方になってくれる家族。 だけど、あたしはそんな家族に嘘を吐いて生きている。 一つ嘘を吐けば、その嘘を隠すためにもう一つの嘘を重ねる。 そして、さらにまた嘘を重ね、がんじがらめになって動けなくなる。