「こんにちは~、おじゃましま~す!!」
うちにやってきた美奈子とその取り巻きの3人は玄関先でにこやかにあいさつした。
あたかも、仲良しの友達の家にやってきたみたいに。
「あら、いらっしゃい。いつも里桜と仲良くしてくれてありがとう。これからもよろしくね」
高校になってから家に友達を連れてきたのは今日が初めてだ。
お母さんは美奈子達が遊びに来たことが嬉しいのか、心からの笑顔を浮かべる。
……ごめんね、お母さん。
仲良くしているどころか、あたし、この4人にいじめられているんだ。
お母さんの喜ぶ姿を見て、罪悪感が押し寄せて胃の辺りがチクチクと痛くなる。
「勝手に部屋に入らないで。入るときは必ずノックしてね」
真正面からお母さんの顔を見ることができない。
あたしはお母さんから逃げるように階段を駆け上がった。



