「里桜、いこっか~!!」
「う、うん!!」
「じゃあ、昇降口で待ってるから早く来てよね!遅れたら罰金ね~」
美奈子達はそう言うと、帰り支度をしているあたしを残して先に教室を後にした。
急がないと美奈子達を待たせることになる。
大急ぎでバッグに教科書をつめていると、横から痛いほどの視線を感じた。
その視線の先に目をやると、荒木さんは呆れたようにこちらを見つめていた。
「悪い事は言わない。やめたほうがいいって」
「ごめん。急いでるから……」
バッグのチャックを締め、荒木さんに頭を下げると小走りに教室の扉に向かう。
「……――浅野さん、ちょっと待って!!」
すると、荒木さんが大声であたしを呼び止めた。



