限界になるその前に声をあげるしかない……か。
苦しい。
辛い。
助けて、お願い。
もし。
もしも、そう声をあげたら
誰かが助けてくれるっていうの……――?
「今日の2限の生物は実習になった。生物係は休み時間に職員室にプリントをとりに来るように。えー、それから……――」
HRが始まって担任が今日の予定を早口で話す。
それを聞き流しながら隣に座る荒木さんにちらっと視線を移す。
真っ直ぐ先生を見据えながら話を聞く荒木さん。
その堂々とした姿と自分の姿を重ね合わせると、胸が苦しくなった。
ハァ……。
あたし……ダメだなぁ。
荒木さんのように言いたいことをはっきり言えたら、いじめられることもなかったのかもしれない。
そんなネガティブなことばかり考えている間に、放課後を迎えていた。



