「アンタ、ずっと美奈子達に目の敵にされてたじゃん。それなのにどうしてニコニコ笑ってあの子たちのご機嫌取りみたいな真似してるの?」
「それは……」
「あの子たち、今日アンタの家に行くって言ってたけど、よく招く気になるね。あたしだったら絶対に嫌」
「ごめん……」
ハッキリとそう口にした彼女にあたしは小さく頭を下げて謝った。
「あのさ、あたしに謝る必要なんてないでしょ?」
「うん……」
「美奈子達に嫌われた理由はあたしには分からないよ。だけど、一つだけ言えることは、悪いのはいじめる側の人間だってこと。どんな理由があってもいじめていい理由なんかにはならない」
荒木さんは言いたいことだけをまくしたてるように話すと、プイッとあたしから顔を反らして再び手元のファッション雑誌に視線を落とした。