「……――ねぇ」


その時、横からバンッと机を叩くような音が聞こえた。


あたしがとほぼ同時に右隣の席にいる荒木さんがこちらに顔を向けた。



「な、なに?」


見た目はすごく派手なのに、誰ともつるまず、口数の少ない荒木さん。


そんな彼女とは同じクラスになってから一度も言葉を交わしたことがない。


そんな彼女がすごむような目をこちらに向け、露骨に不快感を露わにしていた。


「あのさ、ずっと前から思ってたことを言わせてもらう。アンタ、バカ?」


「へ?」


まさかの荒木さんの発言に、思わず素っ頓狂な声を上げる。