多分、見つめ合っていた時間はほんの数秒だったはず。


だけど、その数秒があたしにはとても長い時間に感じられた。


周りの世界からあたしと宇宙君だけを切り取ったみたいに静かだ。



「無防備すぎ。そんな顔してるとキスすんぞ」


宇宙君はあたしの頬をつかんできゅっと横に引っ張る。


「うふゅう君、いふぁい!!」


「変な顔」


「ひほぉい!!」


ひどい!!


怒った顔をしようとしても、顔が緩む。


宇宙君とのこんな時間がもっと続けばいいのに。


もっともっと、宇宙君のことを知りたい。


もっともっと、あたしのことを知ってほしい。


そんな願いばかりが募っていった。