拾い上げると、それは宇宙にプレゼントしようとしていた星のネックレスだった。


あげるタイミングを掴めなくて、渡しそびれていたネックレス。


ねぇ、宇宙。


あたし……本当にバカだね。


こんなことになるなんて……思っていなかったから……。


もっと早く渡すべきだった……。


宇宙はあたしに木星のネックレスをくれたのに……。


ごめんね、宇宙。


やっぱりあたしはもらってばっかりだ……。


あたしは……宇宙に何もあげられていない……。



「……――急いで!!」


救急隊員に促されて救急車に乗り込むと、張りつめた空気に胸が痛くなった。


宇宙が今、大変な状況に置かれているのはバカなあたしにも理解できたから。


あたしは救急車の隅にあるベンチシートに腰かけてただただ祈り続けた。


……――宇宙、生きて。お願い、お願いだから……


もう一度目を開けて。