キミと生きた時間【完】


「……――誰か救急車呼んだのか!?」


誰かの叫び声が聞こえる。


あたしは宇宙の頬にそっと手を伸ばす。


「ねぇ、宇宙。宇宙!!」


お願いだから目を開けて。


宇宙の傍に膝まずいて声の限りに宇宙の名前を呼ぶ。


この世界にあたしと宇宙だけがすっぽり切り取られたみたいに静かだ。


周りの音は何一つ聞こえない。


あたしは地面に投げ出されている宇宙の手のひらを掴んで、ギュッと握る。