「ごめん、里桜。ちょっと休む」 宇宙は膝ほどある花壇の枠に腰を下ろして息を整える。 「宇宙……――」 ――大丈夫? そう尋ねようとした時、宇宙は近くにある自販機を指でさした。 「里桜、悪いんだけど飲み物買ってきてくんない?喉乾いた」 「あっ、分かった。ちょっと待ってて!」 「待て。金……――」 「いいっ!すぐ戻るから待っててね」 「慌てて転ぶなよ」 宇宙の声を背中に受けながらあたしは全速力で走り出した。