「……――そーーーーら!!」


「……なんだよ。でかい声出して」


「だって、早く見せたくて走ってきたら宇宙ってば寝てるんだもん」


「……何を?」


「ふふっ。じゃーん!!見て!」


神社の階段の上でうたた寝していた宇宙に駆け寄って、バッグから新品のデジカメを取り出すとあたしは宇宙の鼻先に自慢げに押し付けた。


「デジカメ?」


「そうそう。前から欲しかったんだ~。昨日、お父さんにお願いして買ってもらったの。本当はもっとちゃんとしたカメラが欲しかったんだけど今は我慢だね。だけど、自分のカメラっていうだけで嬉しい!」


「よかったな」


「うん!!でねっ、早速なんだけど、写真撮ってもいい……?」


首を傾げてできる限り可愛くそうお願いすると、宇宙は眉間にしわを寄せた。