「彼氏以外で仲の良い男友達なんていないしなぁ……。ていうか、何であたしのこと知ってたんだろう……。だけど、宇宙君があたしの彼氏じゃないっていうことは間違いないよ」
「……そっか」
よかった……。
宇宙君が樹里の彼氏ではないとホッとしたものの、やっぱりモヤモヤが広がる。
あっ……。そうだ。
美奈子が言っていた。
樹里と宇宙君が駅前で楽しそうに喋っていたって……――。
樹里に聞けば、宇宙君が誰なのかわかるはず。
「ねぇ、樹里……――」
≪キーンコーンカーンコーン♪≫
その時、朝のHRを告げるチャイムが鳴り響いた。
「やばっ!!早くいこっ!!」
「うん!!」
昼休みにでも樹里に聞いてみよう。
あたしと樹里は目を見合わせると、急いで屋上を飛び出した。



