何も言わない樹里。 目をつぶっているから樹里がどんな顔をしているのかも分からない。 ほんのわずかな沈黙が、あまりに長く感じられる。 「……――あたしの彼氏が……宇宙君!?あはははは、ありえない!!!」 沈黙を破ったのは、樹里の笑い声だった。 「深刻そうに言うから何かと思ったら!100%ないから安心して?」 笑いすぎて目に涙を浮かべた樹里は、化粧崩れに気をつけながら指で涙を拭う。