「里桜が謝る必要なんてない。それと、これだけは忘れないでほしい。里桜は一人じゃない」


「お父さん……」


「誰しもきっと、誰かに支えられて生きているんだよ。そして、また誰かを支えている。わかるかい……?」


「うん……」


「だから、ひとりぼっちだなんて思わないでほしい。里桜にはお父さんもお母さんもいるんだよ」


温かくて柔らかいお父さんの言葉に涙は止まるどころかさらに溢れる。



あたしは一人じゃない。


きっと、この世界にいる誰しもが一人ではない。


みな誰かに支えられ、支えながら生きている。



「……――よし。そろそろ寝よう。明日、遅刻したら大変だ」


パンっと手のひらを打ち、解散の合図を出したお父さん。


あたしとお母さんは互いの目を見合わせ、クスっと笑った。