「あたしも帰る」 グッと唇を噛んで階段を駆け下りる。 「……――里桜」 すると、宇宙君はすれ違いざまにあたしの手首をギュッと掴んだ。 「……――やめて。離して」 「嫌だ。離さない」 「どうして?宇宙君はあたしとは一緒にいたくないんでしょ?」 「違う。そうじゃない」 「じゃあ、なに?あたしが神社に来ると迷惑ならもう……――」 「違うって言ってんだろ!!」 一定のトーンで話していた宇宙君の苛立った声。 あたしは思わず視線を宇宙君に移した。