「大丈夫。ちゃんと分かってるから。本当はこうやって毎日神社にこられるのも迷惑だよね?」
「里桜……?」
「ごめんね。本当は分かってたの。多分、宇宙君に迷惑かけてるなって。毎日あたしの悩みを聞いてばっかりで退屈だったよね。だけどね、宇宙君に打ち明けると心がスーって軽くなったの」
いじめられているという事実を認めたくなかった。
だけど、誰かにSOSを送りたくて仕方がなかったあの日……
あたしは宇宙君と出会った。
話を聞いてもらっているうちに、宇宙君をただのよき理解者という存在にとどめておくことができなくなった。
宇宙君と一緒にいると、ドキドキするし楽しくてつい笑顔がこぼれる。
もっともっと。宇宙君を知りたくなって、
もっともっと。宇宙君に近づきたくて、触れたくて、触れてほしくて。
そんなことを願っても無駄だって、何となく気づいていたけど気付かないふりをしていた。
この関係を壊したくなかったから。
宇宙君という存在を失いたくなかったから。
神社というあたしと宇宙君、二人だけの居場所があたしの心の支えになっていたから。



