「里桜が呼ぶ名前が俺の名前」 「宇宙(うちゅう)って名前だってこと?」 「だから、最初からそうだって言ってただろ?」 「嘘つかないで」 「つーかさ、何で俺の名前なんて聞きたいんだよ。これから先も、『宇宙君』でいいだろ?正直、その呼び方鳥肌が立つくらい気持ち悪いけどな」 宇宙君はそのまま笑顔を崩すことなく立ち上がると、トントンっと軽快な足取りで階段を下りた。 何故か宇宙君の背中を見ていると、このままどこかへいってしまうんじゃないかという不安に駆られる。