「もしも、里桜とその友達の立場が逆だったら、里桜はどうした?もう友達やめたいって思うか?」
幼い子供に語りかけるように優しい口調でそう諭す宇宙君。
あたしは黙って首を横に振った。
「だろ。だったら明日、学校に着いたらその子に謝れよ?」
「……うん」
「でもよかったな。新しい友達ができて」
宇宙君はそう言うとあたしの頭をガシガシと大きな手のひらで撫でながらにこっと太陽のような笑みを浮かべた。
笑うと細くなる目。
薄い唇からのぞく白くて整った歯。
触れてみたい。
その唇にも、その頬にも……
宇宙君のすべてに触れてみたい……――。
「……――どうした?」
ぼんやりとしているあたしの目の前で、宇宙君がブンブンと手のひらを振った。



