お母さんがあたしの為を思ってつくってくれたお弁当が目の前で無残な姿になっている。


その事実に胸が痛くなる。


ご飯も卵焼きもウインナーも唐揚げも、細かい砂利が付き、もう食べることはできない。



「……――ねぇ、美奈子」


「は?なによ」


「美奈子はあたしのこと、一度でも友達だって思ってくれたことはある?」


「ハァ?」


「あたしが田中君に告白されたのが理由で、こんなことするの?あたし、田中君に言い寄ったことなんて一度もないよ」


「キッカケは確かに田中君。だけど、今はそんなことどうだっていいの。ただ単純にアンタがウザいの。嫌いなの」


冷めた目であたしを見下ろす美奈子。