「ねぇ、なにそのぐちゃぐちゃなお弁当。前から思ってたんだけどさ、アンタのお母さん、料理下手くそなくせになんでお弁当なんて作るんだろうね~」


「うげぇぇぇ、マズそー」


「それ、冗談でしょ~?汚すぎだからー!!」


「ふふっ、やっぱりみんなもそう思うよね~?」


自分の発言に同調してくれた取り巻きの発言に気をよくする美奈子。


「つーか、無視してんじゃねぇーよ」


慌ててお弁当を隠そうとするあたしの手から、美奈子は蓋を取り上げた。


顔からスーッと血の気が引いていく。


それなのに体は暑くもないのに汗ばむ。