「すごい!」 男の子の反応が馬鹿馬鹿しくて笑いそうになったが、おれはジタバタする犬を叩きつけるために高々と掲げる。 「ど、どうするの?」 男の子が動揺した声で尋ねた。 「決まってるだろ。大人しくさせる」 せめての配慮として後ろ向きで惨酷なシーンを見せないようにしてやる。 「そんなことしなくても犬はもうビビってるよ」 「こいつがそんなに利口とは思えんな」 犬の目をまじまじと見詰める。確かに無駄な抵抗をやめて吠えてはいない。 「犬みたいな利口な動物なんていないじゃん」