「簡単なことだ。おまえがさっさと死を選択すればいいだけだ」 執行官はしてやったりの顔をしておれの返事を待つ。 「そんなことか。いいだろう。翔也に会えたらすぐに死を選択してやる」 おれはまんまと執行官の策略にのる。 「ものわかりが早くて助かる」 「早く教えろ!」 おれは掴んでいた胸倉を揺すった。 「小学生の行動範囲はおのずと決まってくる」 執行官はおれの手を白いタキシードの襟から放す。 「この期に及んでヒントしか与えないつもりか……いや、待てよ」