ペラペラとページを捲る。
目敏く栗原セイラの名前を見つけ、住所を暗記。


詰所にいた看護師が勝手に捲れていく用紙を見て「どこか窓が開いているのかしら?」と疑問を口にした。


病院から外へ出て“足”を探す。


通り一本を挟んだ向かいにピザ屋があって屋根付きバイクが置いてある。


おれは道路を横切り、ピザ屋のバイクに跨る。ラッキーなことにキーがついてあった。宅配は一刻を争うので、つけたままなのだろう。


エンジンをスタート。


快適に走り始めたが、歩道を歩いていた主婦が悲鳴を上げ、併走していたタクシーの運転手がわき見をして危うく前を走っていた車に追突しそうになり、急ブレーキをかける。