「翔也の選択を見届けてから決める」 おれが先に選択してこの世界から去ったあと、執行官がどんな手を使って翔也に死を選ばせるのか不安でしかたない。 「死を選ぶ可能性もあるんだな」 「おれは死など恐れない」 即答し、すでに歩きはじめている翔也を追いかける。 「早く選択しないと、誰かが君の生身の体にある心臓を杭で突き刺すかもしれないぞ」 執行官がおれの背中越しに脅しをかけてきた。 「ああ、斧で首を切断されるかもしれないな」 うんざりしながらも応じる。 「焼かれる可能性もある」