吸血鬼が幽霊になって何が悪い!



「本人に確認してみればいい」


「それは……」
言葉に詰まる。もう死のうなんて思わないよな?と質問したとして、『わからない』と返されると、執行官が死を選択したとみなすかもしれない。


まだ会って間もなし、翔也の性格を把握していない。どんな返答をするのかなんて予想がつかない。


重苦しい沈黙がおれを取り囲む。


「ぼくと同じ境遇の子はこの病院にいないの?」
突然、翔也が執行官の方を向いて質問した。


「いるさ」と執行官は柔らかい物腰で答える。


「どんな様子か見たいんだけど」