吸血鬼が幽霊になって何が悪い!



死刑宣告されたと一瞬勘違いしてしまうくらい、体の筋肉が硬直した。


執行官の目に見えない威圧感に押さえ込まれてしまう。


「では……」
執行官は清水の左肩に優しく手のひらをのせた。


眩い光が射したかと思うと、清水の体からキラキラ光る粒子がフワァ~と風に流されていく。


清水の体がまるで砂でできていたみたいに見る見る砕けて消え、晴れ晴れとした顔を最期に見せた。


白い光が消えると、清水の体は一粒も残されていなかった。


軽やかな風が一時通り過ぎただけの短い時間に、人ひとりの人生が完全に終了した。