吸血鬼が幽霊になって何が悪い!



「期限がきました」
執行官はチラッと白い歯を見せて微かに嗤う。


「ええ、このままだと妻や子供達に負担をかけるだけです……死を選びます!」
清水は語尾に力をこめた。


「わかりました」


「ちょっと待て!記憶や感情や運動機能のひとつがなくなっても家族と一緒に暮らせれば幸せじゃないか!」
おれは思わず口を挟む。


「面白いことをおっしゃる」
執行官が上品に笑って、またおれを小馬鹿にする。