吸血鬼が幽霊になって何が悪い!



執行官に付いていく。


廊下を曲がり、エレベーターに乗る。


⑥のボタンを押すと執行官は腕組みをしたまま動かない。


「どこに行くんだ?」


「長期の入院患者がいるフロアだ」
扉が開き、六階で手摺を雑巾で拭いていた清掃係のおばさんが無人のエレベーターの到着に薄気味悪さを感じている様子。


エレベーターの斜め向かいの詰所を通り過ぎて廊下を左、右と折れていくと、執行官が642号室というプレートの部屋の前で立ち止まる。


「あそこにいるのは植物状態になった患者さんだ」