吸血鬼が幽霊になって何が悪い!



「そういう態度をとるなら二人一緒に死を選択したということにするか?どちらにしても私が選択を迫った場合、残された家族のことを考えて死を選ぶ割合の方が高い」


最初は選択肢が三つあると思わせながら、第四の選択である“死”を選ばせるために、執行官は誘導している。


「おまえがどれだけの力の持ち主なのか知らないが、証拠を見せてみろ」


「生意気な奴め」不機嫌そうに言葉をもらしたあと「付いてこい」と執行官は背中を向けた。


おれは翔也に「一緒に来るか?」と誘ったが、首を横に振り「ここを離れるなよ」とまるで父親のような言葉をかけた。


それにしても、おれの偽善っぷりが気持ち悪い。