「ところで、どうして翔也が植物状態になったと言い切れるんだ?おまえは医者じゃないだろう」
話しの相手を執行官に変えた。
「吸血鬼には悪魔的要素があるはずだが、どうしてそんなことを聞くのか理解に苦しむ」
執行官はおれの質問には答えなかったが、視線を意味ありげに処置室へ移す。
カーテンを閉め忘れるくらい、看護師達の動きが慌しくなる。
「心肺停止です」
心電図モニターを監視していた女の看護師が伝えると、ドクターは二つの放電パットで心臓のある位置を上下に挟み「みんな離れて!」と言ってから通電を開始。
バシュと音がして、翔也の体がバウンドする。



