吸血鬼が幽霊になって何が悪い!



考えが間違っていなければ、おれもこの男の子も現実の世界で生死を彷徨っている最中で、この世界にいるんじゃないかという憶測が成り立つ。


そうなると、残された時間は少ないかもしれない。


そして、この坊主も……。


哀れんだ目で男の子を見詰める。


「退けてくれない」
男の子が顔を真横に傾けて処置室を覗こうとする。


「やめておけ」
手を広げて視野をふさぐ。


「どうして?」


「子供には過激すぎる」
言った後で、己の口をホチキス止めてやりたいと思った。