自分が幽霊だと知って泣いていると思ったが、意外とたくましい。 それともまだ死んだと思っていないのだろうか? 「血を舐めてたんだ」 低い声で答えてやった。 「おじさん、本当に吸血鬼なんだ」 男の子は驚きよりも尊敬の眼差しでおれを見ている。 「最初から言ってるだろ」 少し腹を立ててみた。 「満腹になった?」 「いいや」と首を横にふる。 「残念だね」 男の子は本当に残念そうな顔をした。