構わず路地裏の一本道を進んだ。 耳をすませると、足音が付いてきているのがわかった。 怖がらせて追い払うことも考えたが、いまは新鮮な血にありつくことが先決だ。 路地裏から一歩出ると、道路を占拠して人間が悠然と歩いている通りに出る。 等間隔に配置されたビーチパラソルを中心に白い椅子を並べ、ソフトドリンクを飲みながら寛げるスペースも確保されている。 ジーパンを腰ではいている若い男が、おれに体当たりしてきた。 そして、何事もなかったかのように素通りしていく。