吸血鬼が幽霊になって何が悪い!



「おまえもすでに死んでるのか?」
ストレートに尋ねた。


「そんなわけないじゃん」


「う~ん」
おれは立ち上がり、手のひらの上に顎をのせ、首を捻る。


「ぼ、ぼくは死んでないよ」
男の子は脅えた声でもう一度否定した。


「おれはさっきここに来たばかりであまり自覚はないのだが、ここは死んだ者が棲む世界だと思う」
子供に言ってもすぐに理解できるはずはないと思ったが、不条理な世界観を説明して不安にさせてやった。


「そんなわけないじゃん」