吸血鬼が幽霊になって何が悪い!



「身代わりって、どうすればいいの?」
意外と前向きな質問が飛んできて振り向いてみた。乱杭歯を生やし、目も真っ赤になっているはずなのに、男の子の顔に恐怖心は浮かんでいない。震えてもいなかった。


「おまえ、おれが怖くないのか?」


「なんで?」
男の子は小首を傾げる。


「なんでって……」
落胆する。吸血鬼としてのプライドを子供にズタズタにされたのだ。


「どうしてまだハロウィンじゃないのにコスプレしてるの?」
男の子が不思議そうな顔で尋ねる。


「ハロウィン?」