「誰を信じられないんだ?」 「おじさんを信じられないって言ってるの!」 苛立った声とおじさんというフレーズに、おれは感情を揺さぶられた。 「おまえが見代わりになるなら、この犬を助けてやろう」 我ながら良いアイディアだと思った。 「えっ?」という短い反応でも慌てぶりがわかる。 「嫌なのか?」 「それは……」 男の子は視線を逸らす。 「決断もできないのか?」 眉に皺を寄せる。