吸血鬼が幽霊になって何が悪い!



翔也におれが見えているとは思えないが、なんらかの気配は感じたのかもしれない。


幽霊になった気分だ。


あてもなく街を歩いてみる。


血を吸いたいという欲求は薄れていた。


おれは生かされているのだろうか?


いつか見た風景に遭遇した。


殺風景な裏通り……翔也と会った最初の場所。


どうしてこんな所を歩いているのか、自分でもおかしくて笑いそうになる。


ふと背後に気配を感じた。