気まぐれな猫




「むー。りょうのケチ。」



俺はブータれて座っている桜にしゃがんで視線をあわせる。


「…桜、飯食わねえとどうなるかわかってるか?ん?」



ニコニコ笑って問いかけただけで素直な桜は顔を真っ青にするとコクコクと頷いてご飯を食べ始める。



「よし、いい子だな。じゃあ飯食い終わったら今日は買い物に行くか。」




「買い物…?」


きょとん、とした顔で口をモグモグさせながらこちらを見てくる桜に思わず顔を赤くする。




「桜の洋服買わねーとな!」



そう。
廉の言った通り桜の洋服を買いに行かなければいけない。

下着は友也の姉貴が持ってきた奴を使っているが洋服は悠真のスウェットをきているため、サイズがだぼだぼ過ぎて上はワンピース状態。


下は歩いているうちに落ちてくるという状況だ。




ちびっ子の友也や廉の洋服を着ればまだしもマシになると思ったが悠真は他の男の匂いを桜につけたがらないし、桜もまた悠真の匂いを気に入っていた。




「私洋服きてるよ…?」




「桜サイズあってないから桜のサイズの洋服買うんだよ!」



友也がそう言っても桜はイマイチぴんと来なかったようで〝へんなの、〟というとまたご飯を口に運ぶ。