オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*

 
それは、大学に入学してまだ間もない、ある、よく晴れた日のことだった。


それから約半年ほどが過ぎた10月。

学園祭の時期が近づいた頃、以前、構内をふらついていたとき、声をかけてくれた3年の乾先輩があたしのところへやってきて、一言。

『学園祭2日目の午後2時、広場の前の特設ステージにおいでね。必ずだよ』と、それだけを言い、わけも分からずぽかんと口を開けるだけのあたしにウィンクをしていった。


乾先輩も、そのときはいろいろと制約があり、告白される側……つまりは、あたしに言えないことのほうが多かったとは思う。

なにせ、公開告白イベントなのだ。

学園祭実行委員だということも明かせないだろうし、ましてや、駒村葉司君があなたに告白をしたいそうだから必ず広場に来てね、とは、口が裂けても言えるはずがない。


ただ、ひとつ物申してもいいのなら、とある企画があってね、くらいは言ってほしかった、というのが、あたしのささやかな本音である。

告白なんざ縁遠く、また、そのようなイベントが企画されていたのも知らなかったのだ。

学園祭2日目の午後2時、少し前、言われた通りに広場に向かうあたしの足取りは、学園祭のまっただ中なのにシメられる……っ!! と、ガクブル状態だったのを、よく覚えている。