オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*

 
けれど、ふっと。

どうしても、葉司とのことが思い出される。


去年の今頃はつき合いたてで、お互いにお互いのことを知ろうと模索していた時期でもあり、クリスマスプレゼントをあげたいと思ってはいても、何をあげたらいいか全く見当がつかず、イブの日を丸々使い、一緒にお店を渡り歩いてプレゼントを選びあったことがあった。

葉司へのプレゼントは、サッカーをしていることもあって、好きなチームのグッズをプレゼントする、ということにすんなり決まったのだけれど、問題はあたしだったのだ。


「ごめんね、駒村君、いざとなると欲しいものが何も浮かんでこなくて……。イブなのに、こんなに疲れる買い物、初めてだよね」

「ううん、全然。マコが気に入るものが見つかるまで探そう。次はどこ見に行く?」

「じゃあ、あっちの服屋さんに」

「うん」

「ありがとう……」


と。

初々しい感じは、まあ脇に置いておいて、最終的にネックレスに決まるまで、葉司は疲れた顔も嫌な顔も一つとしてせず、あたしの長い長い買い物につき合ってくれたのだった。

その日プレゼントしてもらったネックレスは、もう付けることはないけれど、思い出は永遠というわけで、クリスマスという時期も重なり、少しだけ、あたしの胸を締めつけた。