「兄貴、そう言えば蒼季が乗ってるアルファロメオ、どこから調達したの?」

「ああ、あれ?爺さんのだけど。爺さんが死ぬまでメンテナンスをきっちりやってくれてたから、まだバリバリ現役で走れるわ」



道理でどっかで見たことあると思ったはずだよ!!


まさかお祖父ちゃんの車を蒼季が運転するなんて、きっと天国のお祖父ちゃんも笑って見てるかもね。



「お。テムプラが来た」


兄貴が指差す方を見ると、インプレッサに似たフォルムの白い車が、蒼季の……お祖父ちゃんのアルファロメオの横に停まっている。


「ドキドキするわね、カノン」


お祖母ちゃんがクスクス笑って私を見てる。その笑顔は少女みたいに朗らかだ。

……お祖母ちゃんもレースとか好きなのかな?確かに私も蒼季が走る時だけは、いつもドキドキしてるけど(怪我しませんように的な意味で)。




コースを見れば、ジャッジには春臣が立っている。