「まずな、JAFってのは『一般社団法人日本自動車連盟 』の事な。自動車教習所で習ったろ?そんで、そのJAFは故障した時に救援するとかの業務の他に、国際自動車連盟、『FIA』っつーんだけど、それの四輪モータースポーツの統括団体として、モータースポーツイベントの公認を行ってるんだよ。 前まではドリフト競技はやんなかったけど、今年から公認してんだ。ドリフトマッスルとかドリフト競技シリーズの一部がJAF管轄下に入ったらしいな。ここまで分かったか?」


「全然」



今、蒼季が何語を喋ったんだかよく分かんない。アレだアレ、数学の公式を説明する時によくこんな顔して説明してたっけ。


「だから、いわば公式戦なの!!強者達しかこの大会には出ないの!!競技用のライセンスも持ってないペーパードライバーのお前が出るなんて自殺行為なの!!第一、事前に申し込みしないと出られないの!」

「……やってみなきゃ分かんないじゃん」



そうだよ、車の免許だって一発で取れたんだし、出来ないことはない!……はず。


「つーかお前レーシンググローブ持ってんの?ヘルメットは?服は?ちゃんと規則があんだけど」

「……蒼季のを貸して」


呆れたように溜め息をついて蒼季が頭を振った。