「……彼女に飽きたら放置するのが蒼季の癖なんだよね?……最近私をほったらかしなのも、飽きたから…なの?」


だから馬鹿おめーそれは違うってばよ。



「あのさ。華音と付き合いだしてから、俺の気が休まる暇なんか全く無いんですが何か?お嬢様」



大体があの3人組+クリスに弄ばれてるってのもあるけど、華音自身がこうやってトラブルに首突っ込んでんじゃねぇかよ。


こんなに手がかかるくせに、たまにしかデレないお前が愛しくてしゃーねぇんだけど。



「……飽きたら放置して車の方を大事にするって」

「あ…あー。それは病気だと思って。つーか、喧嘩しなくなった凱とか想像できるか?」
「できない」


即答かよ。どんだけ喧嘩好きなんだ、お前の兄貴は。


「それと同じ。俺も大概なクルマ馬鹿だって分かってるだろ?」


何も言わないで、顔を上げた華音と視線が合った。



泣くのを堪えてんのに、瞳はもう潤んでる。



華音は泣くのが嫌いだ。だけど、それだけに華音の涙には様々な表情があるのも、1年以上も付き合ってれば知ってるさ。



嘘泣きや些細な事ですぐ泣くオンナとは、全然その涙が表すもんが違うんだよ。