温和さんは仕事は辞めないで、産休を使うと言っていて。


元々貧血気味だというから心配したけど、ご両親が式が終わるまでは温和さんと一緒に暮らすらしいから、どうやら私達の出番は無さそうだ。








それからは結婚式の為に温和さん達のお手伝いをしたり、週末には蒼季のご両親にお呼ばれしたりであっという間に結婚式の当日になった。




イタリアに行ったのはまだ暑い夏の盛りだったけど、今は高く澄んだ空にアキアカネがゆらゆらと飛ぶ、秋の始めを感じさせる季節。




この日の為に買った薄紫のミニ丈のドレスに着替えメイクもばちっとキメてリビングに行くと、これまた礼服に着替えた蒼季と目が合った。



いつもとは違う礼服姿に、思わず見惚れてしまったんだけど。慌てて視線を逸らしたけど。


やっぱり、蒼季のスーツ姿ってカッコいい。ネクタイを締めるとこなんか、いつ見てもきゅんとする。


口に出して「カッコいいね」なんて言ったら蒼季の余計なスイッチが入りそうだから、口に出しては言ってやんないんだから。