自暴自棄の生活でその日その日を死んだように消費していた俺の前に、ある時春臣が来て言った。


「ウチに入りたいってガキが来てんだけどさ、会ってやってくんない?」


チームなんかもうどうでも良かった。


俺が暴れて近隣チームは根こそぎ潰していたからheavenは今までにない程でかいチームになっている。だがそんな事、俺にとってはどうでもいい話だ。


「そんなもん俺が会う必要ねぇだろ。入りたきゃ勝手に入れ。俺は知らねぇ」



そういい残して倉庫から出ようとした、まさにその時。



「アンタが鷹嘴サン?」



後ろから俺に声をかけてきたヤツがいた。


もはや挨拶代わりに人を殴ることを躊躇することの無かった俺は、振り向き様呼び止めたヤツを殴るつもりで振り返った。


が、俺の右手は止まったままピクリとも動きゃしねぇ。




そこにいたのが、あいつと同じ蒼い目をしたガキだったからか?



青い目だが、桜空とは違う強い目をした中坊ぐらいの金髪のガキが、キラキラした目で俺を見上げている。



「鷹嘴。こいつは雲母凱。俺んちの隣に住んでるクソガキだ。こないだ高校に入ったばっかなんだけどお前の世話係で入隊させるわ」

「…いらねぇよ世話係なんざ。とっとと帰れ」


素っ気無く言い捨ててその場を立ち去ろうとした、まさにその一瞬。