「いや全然。桜空の口をキスして塞ぎたいとは思っているが?」

「やっ…タツキ!ふざけないでヨ!」



桜空は顔を赤くしてぽかぽか俺の胸を叩いたが、だってしょうがないだろ事実なんだから。ふざけて言った訳じゃねぇよ。


「で、行きたい所ってどこだ?」


乗れ、と顎で単車を示したが、桜空は校舎の向かい側を指差した。



「アッチに公園がアル。そこに行きたいノ」



……公園?なんだってまたそんな所に?


「写真を撮りタイ。写真を撮るのガ、私の楽しみなのヨ」

「どんな写真だ?」


公園までは近いから単車は押して歩く道すがら。桜空は鞄の中から一冊のアルバムを差し出して俺に見せた。




アルバムに切り取られていたのは、朝露に淡く光る名前も知らない花々。

そして、屈託なく笑う子供達。




そうか、お前の目には、世界がこんな風に見えているんだな。


どれもこれもが無垢に光り輝きに満ちた世界。この世の穢れとは、まるで無縁の優しい聖地。



それがお前を彩る世界か。



俺にもその色を分けてくれよ。