やけに足音が響いていたが、JCOの者の声が耳から離れなかった。

「だから、誰が犯人かわからないから、被害者面してればいいんだよ。

何もマー君に関する事件は日本だけで起きてる訳じゃあねー。

世界中にMウィルスが蔓延している今、疑える物は全てだ。だから−−」

ドアが開く鈍い音がする。成幸は腕を引かれ、強引に椅子に座らされた。

「だから、貴様は何をハッキングしたか答えてもらう、笹成幸」

頭巾を取られる。

「うっ」

成幸は掠れる目を細め、正面に座る何者かに当てた。

正面には今頭巾を外したダークスーツを着たがたいのいい男とその前に座るダークスーツを着た金髪の男の姿があった。

成幸は天井から電球が垂れ下がる、狭い部屋に金髪の男と向き合う形で机に向かっていた。

金髪の男は業務用の机に両肘をつき、口元で両手を握っていた。その眼光は電球の光を受け微かに光っていた。

「さて、答えて貰おうか。

マー君について、我々について何を知ったのだ、成幸」