「良かった…!陸斗、陸斗……」


早く陸斗のベッドに近寄りたくて部屋に足を踏み入れると、誰かに手で止められた。



「すみませんが廊下に出ていてもらえますか?まだ検査をしなければいけないので」



看護師さんに事務的に言われて、あたしは素直にそれに従った。



廊下に出ると、陸斗のお母さんに電話をかけるため、公衆電話へと走った。


焦れったいコールの音が続いた後、陸斗のお母さんはようやく出てくれて。





「あのっ、陸斗……」

『……駄目、……だった……?』




違うよ、違うの!




「目を覚ましたんです!」



ハッと息を飲むような声の後、通話はすぐに切られた。





待っててね、今、陸斗のお母さんも会いに来るんだから……。




「睦月ちゃんっ !!」



陸斗のお母さんは電話をかけてから20分ぐらいして、病院に戻ってきた。



仕事を抜けてきたからか、着ている服は大きく胸と背中が開いたセクシーなもので。


でもその顔には涙の跡がくっきり出ている。


「……まだ、中で検査をしていて……」

「鈴置さんのご家族の方、ちょっとよろしいですか?」



看護師さんが、あたしの言葉を遮るように、治療室の扉を開けてお母さんにそう言った。


治療室の中に入る陸斗のお母さんを見守りながら、あたしも早く陸斗に逢いたい気持ちを抑える。